横領・業務上横領事件対応の弁護士

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大阪天王寺の横領・業務上横領事件対応の弁護士

〇 横領・業務上横領の概観

 ニュース報道において巨額の横領事件が発生していることが伝えられています。横領事件の認知件数は、犯罪白書によれば、1万7254件となります。その大部分は、遺失物等横領罪であり、全体としては減少傾向にある犯罪です。しかし、いざ刑事裁判となった場合には、被害金額が多額にわたり、初犯でも実刑の危険性がある案件となります。また、会社のノルマや保険外交員の自爆営業により資金を用意するために横領事件が発生しているケースもありえるでしょう。被疑事実として一部は自らが行った犯罪であるものの、会社の使途不明金が被害金額として申告され、自らが行った以上に重い罪となってしまう危険性があります。
 横領事件については、被害回復、示談交渉を行うと共に、自らが行った行為にふさわしい刑事罰を受けることが必要となってきます。また、事件を起こしてしまった背景を理解し、再犯防止に努めていかなければなりません。被害金額を大きければ、一度の事件でも実刑の危険性がありますので、自白・任意出頭を行うなどして少しでも情状を積み重ねていくことが必要となります。
 したがって、横領・業務上横領事件については、できるだけ早期に刑事弁護人に依頼をして、対応の協議をしていくとよいでしょう。

〇 横領・業務上横領・占有離脱物横領などの成立要件

 横領罪は、自己の占有する他人の財物を領得する犯罪であり、①横領罪(刑法252条)、②業務上横領罪(刑法253条)、③遺失物横領罪(刑法254条)が横領の類型となります。領得とは、委託した任務や趣旨に背いて、その物について権限がないのに所有者でなければできないような処分を行うことを言います。

 業務上横領罪は、社会生活において反復・継続して行われる業務において、横領をしたものであり、遺失物横領罪は占有を離れた他人の物を横領した者を処罰する規定となります。

〇 横領罪の成立要件


① 自己の占有する、②他人の物を、③横領した者には、横領罪が成立し5年以下の懲役に処するとされています。

① 自己の占有するとは、契約や事務管理、慣習などにより委託信任関係による権限に基づいて事実上、法律上の管理・支配をしていることをいいます。

② 他人の物とは、行為者以外の者をいい、法人、自然人を意味し、物には、動産、不動産、電気などエネルギーも含まれるとされます。

③ 横領とは、不法領得の意思を実現するすべての行為として、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物に権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思をいうと解されています。

 不動産の元所有者が登記名義が残っていることを利用し、抵当権の設定を行う、二重売買をするなどを行った場合には横領罪が成立することとなります。

〇 業務上横領の成立要件
① 業務上、②自己の占有する他人の物を横領した場合には、業務上横領罪が成立し、10年以下の懲役に処するとされます。

業務上とは、業務として反復継続して他人の物を占有保管することを行うことをいいます。

典型例としては、経理担当者が会社の預金などを自己の費消する目的で利用する場合には、業務上横領罪が成立することとなります。

〇 占有離脱物横領罪
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した場合には、1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料に処されることとなります。

占有者の意思によらないでその占有を離れたものを不法領得の意思をもって自己の支配下に置いた場合には占有離脱物横領罪となります。窃盗罪が成立しない遺失物に対して持ち去った場合に横領罪となることとなります。

 パチンコ店や公衆トイレ内で財布を発見し、自己の物として持ち去った場合には、占有離脱物横領罪が成立することがありえます。

〇 横領罪・業務上横領罪の刑事弁護について

 横領・業務上横領罪が捜査の対処となる場合は、会社での内部調査が始まっていることがありえます。会社や団体での使途不明金が発覚し、関係者への聴取が始まっていることがありえるでしょう。そこで、横領、業務上横領罪の事件については、自首・任意出頭をすべきかを検討することが必要となってきます。確かに、会社や団体での使途不明金について預貯金の通帳や金員の流れが杜撰であるため、刑事事件として立証ができない場合もあり得ます。しかし、預貯金の流れなどを追っていくことでお金の流れをつかむことは捜査を進めていく中で明らかとしていくことができることがあるでしょう。顧客からの聞き取りや関係者からの聞き取りを行っていく中で、どこにお金が流れ、誰が担当していたのかが判明していくことはいずれあり得ることとなります。
 そこで、会社や団体、顧客への被害弁償をどこまで行えるのかを考え、示談交渉、被害弁償、自首・任意出頭を行っていくことが考えられます。被害弁償の全額ができない場合には、分割払いなどでも示談交渉を行っていくことが必要となるでしょう。示談交渉、被害弁償を行うことで民事的に解決を行い、刑事告訴を避けることができることがあり得ます。仮に、刑事告訴の危険性が高い場合には、早期に自首が成立する間には、自首などを行い、任意的減免となるために情状証拠として有効な手段となるでしょう。

 逮捕勾留された場合には、勾留に対する不服申立て、起訴後には保釈請求を行うことで、早期に身柄解放をしていくこととなります。ご家族からの監護、監督を行い、保釈金や被害弁償金の用意をしていくとよいでしょう。被害金額によっては、非常に重たい刑事罰となる可能性があるため、社会復帰に向けて環境整備を準備していくことが大切です。預貯金の通帳にいまだ横領した金員が残っている場合には、被害者への返済を行うために金融機関での手続きのため勾留執行停止を申し入れる案件となることもあるようです。

 まずは、被害弁償、示談交渉を行い、不起訴処分を目指していくことがあり得ます。お金の流れが十分に立証ができないため、嫌疑の全体が十分ではなく、一方で被害者への弁済がすべて終了しているなどの事情、被害金額の総額が比較的低額であることから不起訴処分となる案件が存在しないわけではありません。

 正式裁判となった場合には、執行猶予判決が付くよう最大限の情状立証を行っていくことが大切です。できるだけ早期に身柄解放を目指し、返金のめどを立てていくことが必要となってきます。

〇 刑事弁護人にご依頼を


横領関係事件については、刑事弁護人により被害弁償、示談交渉を行っていくことで減刑などを目指していくことがあり得ます。自首は被害および犯人を捜査機関が知らない間にしか成立しないこととなりますので、内部調査などが始まったのであれば、できる限り段階での対応が必要となります。横領・業務上横領の案件や窃盗、占有離脱物横領罪の財産犯事件については、刑事弁護人への依頼を行っていくとよいでしょう。

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