詐欺・特殊詐欺事件対応の弁護士

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大阪天王寺・詐欺事件対応の弁護士

〇 詐欺罪の概観

詐欺事件の認知件数は、犯罪白書によれば、令和元年には32207件に及ぶとされています。特に特殊詐欺については、1万6000件を超え、被害総額315億円を超えるなど非常に社会的被害が大きな犯罪となっています。
特殊詐欺については、振込め詐欺の類型(オレオレ詐欺、還付金等詐欺、架空請求詐欺)、それ以外の詐欺の類型(デート商法、金融取引詐欺など)が存在することとなります。特殊詐欺では、組織的犯罪が行われ、貧困層の若者が割の良いアルバイトなどとしてSNSで募集され、受け子として逮捕されているケースも少なくありません。余罪などを合わせて、初めての公判を受ける場合に実刑判決が出されるケースがあり得る重大犯罪であることを意識しておくことが必要でしょう。

近時は、新型コロナウイルス関連詐欺の事案や新型コロナ持続化給付金詐欺を行ってしまったといった事例も存在します。被害額の回復と再犯予防、社会復帰に向けてを進めていくことが大切となるでしょう。

〇 詐欺罪の成立要件について

刑法では、246条で詐欺罪を規定しています。
① 人を、②欺いて、③財物の交付を行った者は、詐欺罪として、10年以下の懲役という刑事罰が科されることとなります。

① 人とは、事実上、法律上財産的な処分行為を行う権限を有する地位がある者であることが必要となります。

例えば、銀行の担当者を騙して預金の引き出しを行う行為も詐欺罪が成立することとなります。クレジットカード詐欺については、加盟店を欺罔したとして加盟店に関する詐欺罪が成立していくことなります。

特殊なものとしては、裁判所を欺いて勝訴の判決を得て財物を交付させる事案についても詐欺罪として処分がなされます。支払督促で虚偽の債権で申請した場合強制執行・競売において虚偽の債権により配当を受けた場合には、訴訟詐欺となりえるでしょう。

② 欺いてとは、(1)欺く行為により、(2)被害者、財産について処分権限を有する者が錯誤に陥り、(3)錯誤に基づいて財物が交付され、(4)財物の占有が行為者、第三者に移転するといった一定の流れを生じさせる行為をいいます。

(1)欺く行為については、積極的に人を騙す行為もあれば、すでに誤解をしている相手の認識を有している者に対して告知すべき義務があるのに告知をしないという不作為も含まれます。

・商品先物取引において、通常の取引を装って、委託証拠金の返金や利益金の支払いを免れる客殺し商法は詐欺罪が成立します。

・誤って振り込まれた預金の払い戻しについて、正当な払戻しであるように装って払い戻しを受ける行為は詐欺罪が成立する場合があります。

(2)錯誤とは、観念と真実の不一致をいい、財産的な処分をさせることに動機付けがなされる行為を言います。
 
・財産的な処分に向けられていない場合には、詐欺罪は成立しません。例えば、文書の内容を誤信させ、署名押印させた場合には、誤認を招いたといえるとしても、文書偽造罪が成立しますが、詐欺罪は成立しないこととなります。

(3)財物の交付があったことが必要であり、財物の占有移転があったことが必要となります。意思に基づかない占有移転の場合には、窃盗罪が成立することとなります。

・自動車の試乗を装って乗り逃げをした場合には、被害者の意思により移転しているとして窃盗罪ではなく詐欺罪の成立を認める事例があります。

(4)財産の移転があったことは、交付と財物の占有の移転の因果関係が存在することが必要となります。

〇 特殊詐欺について


特殊詐欺とは、犯人が電話・はがき、インターネットなどで親族や公共機関の職員、銀行の職員などを名乗って被害者を信じ込ませ、現金やキャッシュカードをだまし取ったり、ATMを捜査させて、犯人の口座に送金させるなどの犯罪をいいます。
・オレオレ詐欺、預貯金詐欺、架空料金請求詐欺、還付金詐欺、金融商品詐欺、ギャンブル詐欺、交際あっせん詐欺等があります。キャッシュカードを騙してすり替える手段としては、窃盗事案として取り扱われます。
・オレオレ詐欺の事案については、組織的な犯罪や被害額が甚大であることから、裁判上も重い刑事罰が科されている傾向があります。
・特殊詐欺については、被害者とならないようにすることのみならず、高収入のアルバイトとして勧誘されるなど加害者となる危険性があります。もし高額のアルバイトなどとして身分証明書、学校に告げられるなど脅されている場合には、早急に最寄りの警察に相談をしておくことが大切です。もし、犯罪行為に加担してしまった場合にも、自首や任意出頭を行うなど対応をして早期の社会復帰ができるように対応をしていくとよいでしょう。

〇 犯罪収益移転防止法違反、組織犯罪処罰法違反

 詐欺罪に関連して、犯罪収益防止法違反、組織犯罪処罰法違反が問題となるケースも存在します。振り込め詐欺の被害を防止するために、犯罪収益移転防止法により、正当な理由なく有償で通帳・キャッシュカード等を譲り渡す行為や他人になりすまし口座を利用する事情を知りながら通帳、キャッシュカードを譲り渡した場合には、犯罪収益移転防止法違反により罰金刑が科される場合があります。
 詐欺罪に当たる行為を実行するための組織として詐欺を行っていた場合には、組織犯罪処罰法により処罰されることがありえます。
 詐欺行為について、どのような経緯、共謀関係があったかにより重い刑事罰がなされることがありえますので、弁護士とよく相談をされるとよいでしょう。

〇 詐欺罪にむけての弁護活動について

 詐欺罪については、財産処分、損害を生じた相手方に対して被害弁償金、示談交渉を行っていくことが考えらえます。被害額に加え、謝罪金、慰謝料を支払うことを準備されるとよいでしょう。特殊詐欺の事案については、被害者に与えた金額が大きく、被害金額の全体を支払うことができない場合もあり得ます。被害額全額を直ちに支払えない場合にも被害者事に案分して支払う、社会復帰後に少しでも返済をしていくことを準備していく姿勢が大切となります。自首・任意出頭を行うことで情状酌量を目指していくこともあり得るでしょう。
 再犯防止措置としては、家族などからの監護監督を受けていくことはなどを示していくことがあるでしょう。詐欺事案については、貧困などから金員を得ようとして犯行に及んだ場合には、社会復帰に向けて安定した就業先を見つけておくなどすることで更生の可能性があることを示すことが必要となるでしょう。安易に多額の金員を入手した経験がある場合には、詐欺行為が被害者に与える影響などをしっかりと確認し、反省を再犯防止への意識を持っていくことが大切です。
 
 詐欺事件は非常に重い犯罪であるため、もし詐欺事件を行ってしまった場合、加担していたことが判明してしまった場合には、弁護人を依頼し、適切な刑事弁護を受けることをご検討ください。

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