商標法・知財侵害対応の弁護士

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商標法・知財侵害刑事事件対応の弁護士

〇 商標法・知的財産侵害事件の概要


 犯罪白書によれば、平成30年度の商標法違反等で、検察庁新規受理人数は496人、著作権法違反は306人である一方で、特許法、実用新案法、意匠法は数件程度と多い知的財産侵害事件ではありません。知的財産権侵害事件については、特許法などについては、権利者が民事上の差止請求、損害賠償請求といった民事的な解決を進めていくことが通常となるためです。もっとも、例えば商標法違反などは、中国、ベトナム、シンガポール、韓国、東南アジア諸国で販売されている模倣品などを輸入し、メルカリやヤフーオークションといったフリーマーケットにて転売を行っていくということが副業などとして行われるなど個人による侵害行為は今後も発生していく可能性があります。著作権法においても、ルールに基づかず、動画配信やアフィリエイトサイトでの著作物の利用により個々人が違反行為を行っていくことがあり得ます。個々人の行為であるために、企業での民事的な対応が間に合わず、インターネット上であるために履歴や本人確認ができ、刑事事件として立件ができてしまうおそれがありえるでしょう。
 まとめサイトなどで副業手段として始める、周囲の人々が行っているなど、罪の意識が十分でない案件もあり、犯罪となると十分に認識せずに事件を起こしてしまっているケースがあり得ます。警察などからの呼び出しがなされた場合には、刑事罰となる行為であるのかどうか、被害弁償や情状弁護についての対応を刑事弁護人に依頼するなどしていくとよいでしょう。

〇 各知的財産法の成立要件

 知的財産権については、商標法、著作権法、不正競争防止法などの総称であり、各法律に刑事罰の規定が定められています。

〇 商標法違反事件
 商標法は、知的財産権侵害事件の中で刑事事件として立件がなされるケースが多い事案となるでしょう。商標とは、事業者が自己の取り扱う商品・薬務を他の事業者のものと区別するために使用する識別標識のことをいい、自社が取り扱う商品と他社が取り扱う商品の識別や事業者のこれまでの営業上の信用が化体しています。商標として登録された者を他人が無断で使用して利益を上げてしまうとこれまでの築いてきた営業上の信用にただ乗りされ商品を売却されると、自社の商品の売り上げ低下やブランドイメージの低下につながるおそれがあります。
 そこで、商標法は、民事的な救済と刑事的な救済手段を設けています。

 商標法の刑事罰については条文において規定がなされています。

商標権を侵害した者…は、商標法に違反するとして10年以下の懲役、1000万円以下の罰金に処することが規定されています(商標法78条)。他にも、侵害の予備行為も間接侵害としてみなし侵害罪(商標法78条の2)、詐欺の行為により商標権登録などを受けること(商標法79条)、虚偽表示の罪(商標法80条)、偽証罪、秘密保持命令違反罪などが定められています。

 商標権として保護がなされるためには、法律上の商標に該当し、業務に係る商品・薬務に使用され、特許庁での設定登録を受けることが必要となります。商標権の効力として、(1)指定商品・役務について専用権があり、(2)他人が商標権者に無断で、指定商品・役務と同一の商品・役務に類似の商標を使用することや指定商品・役務と類似する商品・役務について登録商標と同一、類似の商標を使用することは禁止権を有します。類似しているかどうかは、出所混同のおそれが生じるかを商標の外観、称呼、観念、取引の実情を加えて判断がなされることとなるでしょう。

 他人がこれらの専用権、禁止権の範囲において商品・商品の包装に標章を付する行為や譲渡すること、譲渡目的で輸入・輸出する行為は使用することは、商標権を侵害したということができます。
 
 刑事罰は故意犯しか処罰することができないため、偽物であることを知らなかったなどの商標権侵害の故意があるかが争点となる案件があります。

 商標登録がなされているブランド腕時計に類似した腕時計をインターネット上のフリーマーケットで販売するなど行った場合が典型例といえるでしょう。
税関において、知的財産侵害物品を輸入差止で止められているケースもありますが、ネットオークションなどにより個人が刑事罰を受けるケースも存在します。

〇 不正競争防止法違反事件
 不正競争防止法は、事業者の公平な競争を図ることを目的として、一定の行為類型について規制を行っています。
 商標登録がなされていない著名商標を利用している場合には不正競争防止法違反として処罰されることがあります。他にも営業秘密侵害行為、混同惹起行為、誤認惹起行為、著名表示冒用行為、商品形態模倣行為が不正競争防止法21条により刑事罰の可能性があります。

〇 著作権法違反事件
 
 著作権法119条により、著作権を侵害した者等に対して、刑事罰が科される規定が存在します。著作権とは、思想または感情を創作的に表現した文芸、学術、美術または音楽の範囲に属する著作物について、著作者などが専有する複製権、公衆送信権、二次的著作物利用権などの権利の総称をいいます。これらを権利者の許諾や権利制限条項なく利用を行っていた場合には、著作権侵害に該当する可能性があります。

 近年は、インターネット上の動画配信などにより容易に著作権侵害がなされてしまうケースがあり得ます。ファイル共有ソフトなどにより映画やゲームを共有するなどして、公衆送信権侵害を引き起こす事例もあり得るでしょう。インターネットの履歴の開示作業などにより数年前の行為について特定される場合もあり得ます。警察からの捜査の対象となった場合には、弁護士に相談をしておくとよいでしょう。

〇 特許法違反事件・実用新案法違反事件
 特許法違反、実用新案法違反において刑事事件となっているケースは他の事件に比べてるとあまり多くなない状態となります。特許法等の侵害に対しては、民事的なアプローチとして警告書を出し、損害賠償、差止請求を受けるといったことがあり得るでしょう。

〇 知的財産侵害案件について刑事弁護について

 コピー品、海賊品の転売やインターネットでの配信などの明らかな知的財産権侵害などにより刑事事件化してしまった場合には、他の事件と同様に被害弁償・示談交渉などの情状弁護活動を行っていくこととなります。
もっとも、知らずに知的財産侵害行為を行ってしまった場合には、個別の法律においてどの部分に故意が認められるのかを検討していくことが必要となるでしょう。個別の違反事実を満たしているのかどうかを検討していき否認すべき事案となるのか、認め事件となるのかを判断していくこととなるでしょう。
 民事的な事件として損害賠償請求や差止請求がなされる場合もあり得ます。特許権などであれば、無効審判、無効の抗弁など争っていくべき争点が多数あること、技術的な分野が問題となることから、専門家に相談を行うことが大切となってきます。
 商標法違反、著作権法違反など知的財産法違反事件において弁護士を探されることをおすすめいたします。
 

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