公然わいせつ事件対応の弁護士

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公然わいせつ事件対応の弁護士

〇 公然わいせつ罪の概要

公然わいせつ事件については、犯罪白書によれば、令和元年の認知件数は2569件と決して少ない事件ではなく、被害申告を差し控えるために実際の案件数はより多数に及ぶ犯罪であると考えられます。また、公然わいせつ事件については、児童・生徒の下校時間帯や深夜帯などの事件が発生するなど、地域社会の多数の人々の社会生活を不安に陥れる危険がある犯罪です。余罪が多いことがあり、また特定の被害者に対する被害弁償を行うことが困難である点で、発覚した段階で再犯防止措置を取っておかなければいずれ実刑判決を受ける危険性が高まっていくこととなるでしょう。
 公然わいせつ罪で逮捕・勾留された場合には、身柄解放に向けての活動に加え、カウンセリングを受診してもらうなどして、公然わいせつを行う心理的な背景や被害者に与える被害を理解してもらい、再犯防止に努めることが大切となります。

〇 公然わいせつ罪の成立要件

① 公然と、②わいせつな行為を行った者は、6月以下の懲役、30万円以下の罰金、拘留、科料の刑事罰を受けることが定められています。

懲役とは、刑事施設において刑務作業を行うものであり、罰金とは、1万円以上の金額で金員をおさめる処分となります。

科料とは、千円以上1万円未満で出されるものであり、拘留とは、1日以上30日未満に、拘留場において留め置かれる刑のことです。

公然とは、不特定または多数人が認識できる状態をいいます。現実に、不特定、多数人が現実認識したことまでは要しないため、目撃者が少数であっても公然わいせつ罪は成立するものです。

ストリップショーなどにおいて、密室であってもそれが反復する場合には、反復することで不特定多数人が利用しているといえるため、公然性を満たすと考えられます。

わいせつな行為とは、その行為者またはその他の者の性欲を刺激、興奮又は満足させる行為であり、普通人(一般人)の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為とされます。現実に被害を受けた者が性的羞恥心を抱くことは必要でないため、公然の場所で行為者と目撃者が同意を得ていたとしても、公衆の健全な性的感情を害するものであれば、公然わいせつ罪が成立することとなります。

典型例としては、路上で性器を露出する、電車内において手淫行為を行うなどの場合には、公然わいせつ罪が成立することとなります。

また、軽犯罪法においても身体露出の罪として、公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者についいては、これを拘留又は科料に処するとの規定も存在します。公然わいせつと明確に認定できない場合には軽犯罪法により処罰がなされることもあり得るでしょう。

Youtubeやニコニコ動画などの生放送機能において、リアルタイムなわいせつなショーを不特定多数の者が目撃できる状況で配信を行った場合には、公然わいせつ罪が成立することなります。

ストリップ・ショーなどで、性器の露出、性交渉を伴うようなものは公然わいせつ罪となり、教唆犯等の共犯として、主催者についても処罰されることがあり得ます。

〇 逮捕・勾留された場合の対応

 逮捕をされた場合には、48時間以内に、検察庁に送致され、検察官は24時間以内に勾留を裁判所に請求することとなります。勾留が決定した場合は、原則として10日、勾留延長が認められた場合には、さらに10日の勾留がなされる危険性があります。逮捕・勾留をなされた場合には、保釈手続きを行うまでの間に長期間の社会からの隔離がなされるため、できるだけ早期に身体解放について求めていかなければなりません。勾留請求に対して、罪証隠滅、逃亡のおそれがないこと、住所が定まっていること、勾留の必要性が低く、勾留によって得られる利益と社会的に被疑者が伴う不利益との均衡が害されていることを主張していかなければなりません。
 正式裁判がなされた場合にも、保釈手続きを通じて早期に社会復帰を行っていくように準備を行っていくことが望まれます。

 公然わいせつ罪については、被疑者自身が抱える精神的な課題や環境面での課題が存在している場合がありますので、医療機関などに通院を行う、カウンセリングを受け、適切な形での適応ができるよう準備をしていくことが必要となってくるでしょう。

 公然わいせつ罪において、再犯防止措置を取っていることを踏まえて、不起訴処分や執行猶予などの可能性を少しでも高めていくことが大切となります。

〇 刑事弁護の方針について

露出症を有する男性は、性器を露出し、被害者に恐怖、嫌悪などの反応を見ることで男らしさを確認しているとの分析や自尊心に打撃を受けストレスが高まっている状態にあるとの分析がなされていることがあります。公然わいせつ罪の原因として自尊心や環境からのストレスが関連しているとすれば、周囲との環境調整やストレス対処力について、カウンセリングなどを通じて強めていくことが必要となります。

公然わいせつは、社会風俗を害する犯罪として特定の被害者といった方を想定することはなかなかできない場合があります。一方で、目撃により精神的な被害を受けられた方がいた場合には、被害弁償、示談交渉を行っていき、任意に与えてしまった被害回復に努めることが大切となります。

また、再犯率が高いことを踏まえると、本人と家族などの支援者と協力して再犯防止計画を立てていくとよいでしょう。

インターネットの事案では、若年層が安易に配信ができてしまうことから、事案の重大性や社会的に被害を生じる行為であることへの理解を進めていくことなどが必要となります。

本人が何らかの障害を有し、社会的な適応に問題がある場合には、生活環境の調整、福祉機関との連携なども必要となるかもしれません。

公然わいせつは、特定の被害者に対して被害弁償を行うなどの個別の被害回復がなしにくいものの、再犯防止を行い、二度と犯罪をしないように準備を行っていくことが弁護活動としても重要なこととなってきます。

公然わいせつ事件を起こしてしまった場合には、防犯カメラ映像の解析などから被疑者として特定されてくることはあり得ます。早期の弁護人を依頼し、弁護活動を行っていくことをオススメ致します。

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