逮捕された家族にはいつから会えるの?面会できないケースとは?

 逮捕された家族にはいつから会えるの?面会できないケースとは?

 帰宅時間になっても夫が帰って来ず心配していたら突然警察から電話が。「ご主人は今●●警察署にいます」とだけ伝えられ,なぜ警察にいるのかは一切教えてくれません。今から会いに行きたいと伝えても「逮捕したので今は会えません」と突っぱねられてしまいました。夫が何をしたのか分からず,そもそも夫が犯罪を犯したのは事実なのか夫の口から何も聞けず,どうしたらいいのか分かりません。

 ご家族からのお問い合わせでは,このような,「家族に会えない」「なぜ逮捕されたのか分からない」というご相談も少なくありません。今ご家族がどのような状況なのか,体調は悪くないのか等,直接会ってお話ししたいと思われる方が多いでしょう。しかし,面会の可否等を警察が一切教えてくれないケースもあります。ここでは,逮捕されたご家族に会えるケース,会えないケースをご紹介します。

1.逮捕されたら

 ご家族は,警察に迎えに行った際に,「身元引受書」にサインをするよう求められます。帰宅しても刑事事件として捜査は続きますから,ご家族が「身元引受人」となることで,本人が逃亡等をしないことを保証するのです。

 一方,すぐに帰宅できないケースもあります。逮捕による身体拘束は最大72時間ですが,本人に逃亡する可能性があったり,証拠を隠滅するおそれがある場合は,「勾留」という長期間の身体拘束が続き,警察署で取り調べ等の捜査に協力することになります。勾留は最大で20日間続きます。

 このように長期間の身体拘束が続くので,ご家族としては,なぜ逮捕されたのか,犯罪行為を行ったのは事実なのか,体調を壊していないか等,本人に会って早急に確認したいと考えるでしょう。しかし,逮捕されている期間中,つまり,逮捕されてから最大で72時間は外部の者との面会は基本的に禁止されています。弁護士を除けば,ご家族であっても面会することはできないのです。

2.勾留されたら面会できる?

⑴面会できない場合って?

 お話してきたように,「逮捕期間中」は本人に面会することはできません。一方,勾留された後であれば,本人に面会できることが多いでしょう。しかし,勾留後であっても面会が許されない場合があります。「接見等禁止」の決定が付されている場合です。

 この決定が付されていると,弁護士以外の面会が禁止されます。また,面会だけでなく差し入れ等も禁止されるため,着替えや眼鏡・手紙等を本人に渡すこともできなくなります。

⑵なぜ面会が禁止されるの?

 面会が禁止されるのは,外部の者との接触を許すことで,面会に来た者を通じて事件に関係する証拠等を隠したり壊したりする恐れがあると考えられる場合です。そのため,組織的な犯罪(オレオレ詐欺等)や共犯者がいる事件では,外部の協力者を通して証拠を隠滅するリスクがあるため,接見等禁止決定が出されることが多いでしょう。

 また,被疑事実を否認している場合も,自らを犯人だと推認させるような証拠が存在すればこれを隠したりする可能性があると考えられますから,接見等禁止が付されやすいと言えるでしょう。

3.接見禁止がついていても家族に会いたい!

⑴接見禁止のリスク

 接見等が禁止されると,勾留されている本人も家族に会えず,不安な思いを抱えることが多いです。接見が禁止されても弁護士には会えますが,やはり精神的な支えは家族です。家族に会えないことで精神的に追い詰められ,自暴自棄になってやってもいない犯罪事実を自白してしまう,ということも十分に考えられます。

 接見等禁止決定が付されたまま長期間の勾留が続くことは,勾留されている本人にとっても,家族にとってもデメリットでしかありません。そのため,接見等禁止決定を取り消してもらう活動が重要なのです。

⑵接見禁止を取り消してもらう

 接見等禁止決定を取り消してもらうためには,弁護人から裁判所に対して接見等禁止決定に対する準抗告を行うことになります。準抗告の中では,接見を許したとしても罪証隠滅の恐れがないことを主張します。既に証拠収集が完了していたり,共犯者も既に逮捕されている等の事情は,罪証隠滅の恐れがないことを根拠づけることになるでしょう。

⑶接見禁止が取り消されなくても…

 弁護人から準抗告を行っても,接見等禁止決定が必ずしも取り消されるわけではありません。しかし,配偶所や両親・子供等の近親者についてのみ,接見禁止を一部解除してもらうよう裁判所に求めることも可能です。

 逮捕・勾留されている本人が会いたいと考えるのは家族等ごく限られた人でしょう。ですから,広く接見禁止がつけられていても一部のみ接見禁止を解除してもらえれば足りる場合も多いのです。

 親族が事件に関与していなければ,これらの者と面会しても罪証隠滅の恐れはないといえるでしょう。また,家族に「罪証隠滅に加担しない」という内容を記載した誓約書を作成してもらい,あわせて裁判所に提出することで,家族との面会は認めてもらえる場合が多いようです。ただし,住民票や戸籍等,家族であることを証明する書類の提出は必要になります。婚約者等で籍を入れていない場合でも,賃貸借契約書の同居人欄の記載や,婚約者が妊娠中の場合には母子健康手帳(「父親」の記載がある)で証明が足りる場合もあります。

4.面会できる場合でも…

 本人と面会できることになっても,いつでも何時間でも面会したり差し入れができるわけではありません。

 警察署によって差はありますが,面会時間は平日の午前9時前後から,お昼の時間を除いて午後の4時前後までとするところが多いようです。また,一度に面会できる人数は2~3人で一組当たりの面会時間は10~15分です。また,1日に面会できるのは1組だけという制限がある場合がほとんどです。

 差し入れについても,同様に時間制限がありますし,制限できる物にも制限があります。面会や差し入れを行う前に,直接警察署に確認しておくと良いでしょう。

5.弁護士に依頼するメリットは?

 逮捕されてすぐは,弁護士以外は面会ができません。しかし,警察・検察の取り調べ等はすぐに始まります。弁護士は一般の面会と異なり,土日でも,夜間でも,基本的に時間の制限なく接見ができます。本人の話をじっくり聞いたうえで,取り調べに向けたアドバイス等を行うためにも,早急に弁護士を派遣するメリットは大きいでしょう。

 また,勾留後に接見禁止がつけられており面会に行っても会えない等,ご不安をお持ちの場合も,是非弁護士にご相談ください。

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